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覆い下園の栽培管理

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玉露の産地

覆い下園栽培技法が合理的に取り入れられるなら、全国どの地方でも玉露・碾茶は作る事ができるが、産地銘柄の扱いが重視される茶業界では、古来よりの玉露・碾茶の産地がとかく重視される風潮にある。近年若干産地に移動がみられたものの、宇治の位置は依然高く、玉露では福岡八女に、碾茶では愛知県西尾に首位を譲ったとはいえ、依然として二位を確保している。

覆い下園品種

品種としては『さみどり』『きょうみどり』『うじひかり』『あさひ』など、主として京都で育成された品種がより適する。その他にも『やまかい』『おくみどり』『さえみどり』『ごこう』などがある。

覆い下園での施肥

普通園より著しく多く、用いる肥料も有機質が著しく多用される。したがって肥料購入費も普通園よりかなり高額となる。

覆い下園の管理特徴

摘採はていねいに手摘みとされる。摘採が終わるとチャ株を地上三〇cm内外まで刈り下げ、その後晩秋までの間に、樹冠を十分再形成させるべく、入念な管理を行う。そして十分に生育し充実した枝条を、そのまま放任した形で、次の年に手摘みをする。

摘採適期と収量

露天より覆い下園では若干遅れるが、強い遮光で収量は減少する半面、品質は向上する。

新芽の成分

露天で生育した新芽に比べて、(1)葉緑素は約二倍近く(2)うま味成分のテアニンなどのアミノ酸類の大幅増加(3)苦渋味成分としてのカテキン類が減少(4)粗繊維が減少(5)覆い下園独特の香気成分ジメチルスルフィドが生じる(6)水分が増加し乾物が減少する。

新芽の形状

遮光下で育ったチャの新芽は、(1)葉質が柔らかい(2)葉色は光沢のある濃緑色(3)葉厚が薄い(4)葉面積は拡大傾向である。

遮光期間

天然資材の場合も化学繊維を使用する場合も遮光期間は二〇日〜三〇日くらいまでである。遮光開始時期を早めて萌芽直後からとする例もある。

遮光方法(後半)

新葉が四枚程度となったとき、先に『よしず』をかけた場合は、そのうえに稲藁を振り広げ、さらに棚の側面も『こも』や『むしろ』などを垂らして覆い、棚の内部の遮光率を95%〜98%程度の真っ暗な状態にして、その後役一〇日間内外被覆遮光を続けたのち摘採する。化学繊維の被覆資材を用いた場合も、後半の一〇日間内外は二重に被覆を重ねるなどして、また側面にも化学繊維を垂らして棚の内部の遮光率を下げる。

遮光方法(前半)

覆い下園では一番茶のみの摘採を行うが、遮光は一番茶の新芽が二枚程度開葉したときに開始し、遮光率(日光を遮る割合)は70%内外としている。これは『よしず』では一重、化学繊維やネットではこの遮光率のものを、まず棚の上部のみを被覆する。これを一〇日間続ける。

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